僕のブログのヘビーな読者だという山梨のH君と横浜のSさんが来訪。就農準備中でいろいろ見て回っているとのこと。春キャベツの定植や玉ねぎの除草などをやってもらった。


キャベツは株間40cm,条間60cmの連続植え。品種は
味春と
秋蒔極早生二号。各300株で4月末〜5月初採り狙い。まぁ売り切らんでしょう。教科書には「9月蒔き越冬春採りキャベツは無農薬でもっともつくりやすい作型」と書いてあるが,最後は結構アオムシが付くのと,割れが早くて収穫期間が短いのとで言うほどつくりやすくはない。一番つくりやすいのは早春蒔きの不織布トンネル植えの極早生キャベツではないだろうか。どうでもいいが,上記の味春のリンク先に「
裂球が遅い」とあるが,それを書いたタキイの技術者の口を裂いてやりたい。
さて,H君は農業法人で6年働いた後,現在は農作業のアルバイトをしながら自分で野菜をつくっているらしい。心も体もがっちりした感じの好青年である。Sさんは芸大の大学院生で,直接農業に携わっていない割にはずいぶんよく勉強している。2人とも浮ついたところがなく,しっかり経済を取っていこうという姿勢があるので安心して聞いていられる。多品種少量直販型希望で,場所は栃木を第一候補に考えているようだ。
以前から述べているように,野菜の味の8割は
品種と鮮度と時期で決まるので,「旬の野菜詰め合わせを宅配便で直送」というやり方は,栽培技術がなくても,まぁそれなりには出来てしまう。ので,それを親戚とか友達とかに買ってもらえば,ある程度までは誰でも行けてしまうのだ。農的な暮らしを楽しみながら夫婦二人でギリギリ食っていければいい,という所を目指すならそんなに難しいことではない。農業に限らず,細々と商売をしながら生きている多くの人はこのラインに位置する。それが家業というものなのだろう。定年後に楽しみながらやる農業ならばこれでもいいが,若者が人生を賭けてやろうという場合だとちょっと違うのではないか。その程度なら過去にいくらでもやってる人がいるんだから,なーんも新しいこと出来ないしね。
そこから先へ行くには,
・生産性を上げる=秀品率,品目数,生産量UP
・収益性を上げる = 安売りしないで販売量,売り先を増やすという大きな課題がのしかかる。頭ひとつリードしている人は大抵この2つがクリアできているのではないだろうか。
H君たちはその辺が分かっているので,上を目指してもらいたいと思う。応援するので頑張ってほしい。
posted by かぜだより at 07:10|
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