2011年07月23日

Insanely great - 発狂するくらいすごい!

茂木健一郎の連続ツイート:Insanely Great


コンピュータに対する考え方が変わったのは、大学院で、アポロのワークステーションが来た時である。インターリーフというアプリがあって、WYSIWYGの世界を初めて体験した。しかし、私が接していないだけで、とっくに実現しているコンピュータがあったのだ。

マッキントッシュの1984年のコマーシャルは伝説的である。オーウェルの『1984』になぞらえて、灰色の世界を女性が粉々にする。「マッキントシュを見れば、なぜ1984が1984のようではないかわかるでしょう。」

全米が注目するスーパーボールのハーフタイムに放映されたマッキントッシュのコマーシャルは強い印象を与え、「アップル」のブランドが一気に確立した。脳の情動系と記憶回路に深く入り込むことで、伝説的なブランドとなる条件が整えられる。

英国滞在中、Steven LevyのInsanely Greatを読んだ。マッキントッシュの誕生の物語。ここで描かれていたスティーヴ・ジョブズの思想、行動が、私に強い感銘を与え、コンピューティングについての概念が変わった。MS-DOSの灰色の世界が消えた。

Insanely Great(発狂するくらい凄い!)は、スティーヴ・ジョブズの口癖。すさまじいまでの熱狂と集中で、マッキントッシュを創る。今まで誰も見たことがないような新しいコンピュータ。現代では、哲学は製品となって世の中を変えていくのである。

スティーヴ・ジョブズの周囲は、Reality Distortion Zone(現実が変容する空間)。そのカリスマと、他の人を巻き込んでいくエネルギーを通して、マッキントッシュを生み出す運動が進められた。創世記には、必ず現実変容空間が出現する。

そして、スティーヴ・ジョブズの名言の極めつけは、「Real Artists Ship」(ほんものの芸術家は、出荷する)。アタマの中で考えているだけではダメ。夢を語っているだけではいけない。ブツとして「出荷」して、ほんとうの意味での芸術家になれる。

ポスドクとして訪れたケンブリッジの下宿で、LevyのInsanely Greatを一気に読んで、興奮してそのあたりを歩き回った。それまで科学のことばかり考えていた私にとって、コンピューティングが情熱の一部になった記念すべき一冊だった。

スティーヴ・ジョブズのプレゼンテーションへの注目度は高いが、そのマネッジメントのスタイルにも今一度目を向けるべきだろう。「発狂するくらい偉大」「現実変容空間」「ほんものの芸術家は出荷する」。停滞する日本には、ジョブズの精神が少しは必要なはずだ。


posted by かぜだより at 14:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちのMac、もっと大事にします。
Posted by mix at 2011年07月23日 20:59
なでてあげて下さい
Posted by かぜだより at 2011年07月23日 21:17
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