今朝は頭痛を抱えて,中央農業総合研究センターの市民講座に参加。
「野菜の害虫 − ヨトウムシとその仲間たち」
面白かった点を箇条書きで。
・ハスモンは茨城では越冬しないので,春に暖地から飛来するのだが,ジェット気流に乗って来るのでそのスピードは非常に早い。
・種類にもよるが,産卵は1回に100−数100個。それを何回か繰り返すので,1匹の成虫で1000個以上の卵を産む。
・ヨトウの幼虫は1齢(2-3mm)から6齢(4-5cm)で体重が1600倍に増加。全摂食量の80%以上を終齢期に食べる。
・1齢幼虫でも場合によって1mくらい移動する事がある。老齢は大きく移動する。※ 自分はこれまで孵化直後の幼虫を0齢と呼ぶのかと思っていたら,それが1齢だと今日知った(^_^;)。 X回脱皮した幼虫が(X+1)齢なわけね。
・生物農薬は,日本ではBT剤が一般的だが,バキュロウイルスを利用した防除方法もある。ブラジルでは1970年代後半から研究が進み,2000年前後に一気に普及。現在の撒布圃場面積は200万haで日本の畑作栽培面積にほぼ匹敵する。中国でも研究が盛ん。
・中央農研ではタマナギンウワバ,ヨトウガ,オオタバコガの3種害虫に効果のあるウイルス製剤を開発・実験している。
質疑で,野菜の品種によって食害に差があるように見える理由を尋ねたところ,
・実験をしてみないと分からないが,何かの物質で「虫を呼んでいる」という話は聞いた事がない。
・天敵の働き方には差が出る場合がある。
・モノの硬さは影響するかもしれない。
とのことであった。
この最後の話は,普及所なんかに訊いても同じ答えが返って来る。窒素が多いと虫を呼ぶ云々というシゼンノーな伝説は正しくないのかもしれん。アブラムシですら窒素が多いから飛来するっつう研究はないみたい。