2010年05月26日

学生の質問への回答 その2 農家になろうとは思いません

おもしろかったものをQ&A方式で。もっと普通の質問もたくさんありましたが,そんなもん紹介しても面白くないので(笑)。

---------------------------------

Q. 話はおもしろかったけど,農家になろうとは思いません。

A. おもしろいけど,仕事としては薦めません(笑)。有機農業なんてのは人のやらないことをやりたいという変態のために用意された仕事です。

Q. 有機栽培って相当Mな人じゃないと難しいのでは?

A. SかMかといわれればMの人が多いんじゃないでしょうか?糞尿堆肥も使うのでめくるめく倒錯プレーです。

Q. 有機農業にしてもフェアトレードにしてもまずしたたかな商売であるべきだと思った。(注 前週の講義でフェアトレードの話をしたらしい)

A. 「片手に夢を 片手に生き抜く知恵を」ということです。僕の好きな二宮尊徳の言葉で次のようなものがあります。
「理念なき経済は罪悪である。経済なき理念は寝言である。」


Q. 見た目が悪いB品の野菜を格安で売らないのか?

A. 売りません。B品のキャベツを買った人はA品を買わない,つまり人はキャベツを2個は買わない。トータルの利益を最大化するために,捨てるものは捨ててでもいいものを高く売ります。B品の処理を考えなければならないのは一種類のものを大量に作っている農家の話です。
そういう意味では,多品目栽培というのは売れる量だけをつくる,トヨタ方式に近いといえます。


Q. 「昔の味」を知らない人に有機野菜のおいしさはアピールしないのでは?

A. 自分の目指すおいしさには一定の普遍性があると信じたいですが,やはり流行もあります。
たとえば最近のとうもろこしは,果肉がやわらかくてとても甘いものが主流です。ある意味デザート的で,僕が子供のころお醤油を塗って焼いていた物とは食べ方も異なります。商売である以上そういう流行にはある程度乗らざるを得ません。「昔の味」より「今の味」にあわせているわけです。
トマトの場合だと,桃太郎のようなただ甘い品種の流行はすたれはじめ,むしろ酸味の利いた「昔の味」が受けたりします。
つまり「昔の味」と呼ばれているものもその時代の趨勢でしかない部分もあります。当時は新しい味として食べられていたのかも。
それぞれの品目について,自分の技術との兼ね合いの中でどこを狙っていくかも仕事の面白みです。



Q. サラリーマン時代の経験で農業に生かせたものは?

A. 直接的には計数的なことや,化学の知識。それからビジネスマンはどういう人種で,何をモチベーションに生きているかということでしょうか。ネットワークで仕事をする,ということの意味は学生の時には頭でっかちでよくわからなかったのですが,結局は人と人ののつながりです。
社会人としての最初の数年間に学べるものは非常に大きいです。就職しない生き方,みたいなことも言われますが,自分に何もないなら四の五の言わずに勤めることをお勧めします。




posted by かぜだより at 02:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/151111575

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。